毛細管現象などで屋根の下には水が結構入っている事実

屋根のメンテナンスを行うことは大事なことです。屋根のメンテナンスを行わなければ、雨漏りをしてしまうこともあり、そこから家の劣化が進んだり、問題が大きくなってしまうことがあるからです。そのため、雨漏りなどによって家が悪くなってきていると思うと屋根の状態を疑うことが必要になります。屋根に大きな損害が無いのに雨漏りがひどくて止まらないと思うならば、毛細管現象ということもあります。毛細管現象というのはどのようなものか紹介していきたいと思います。

スレート屋根塗装中塗り

 

 

■毛細管現象とは

普通は水は重力に従って上から下に落ちるものです。ただ、水は細い隙間であれば重量の逆らって下から上へと吸い上げられることがあります。これが毛細管現象と言われています。

この現象はスレート屋根や金属屋根などの薄い屋根材が横葺きされている場合に発生することがあります。屋根材同士の隙間に吸い上げられて溜まった雨水が、野地板に染み込むことで雨漏りへと繋がってしまいます。また、屋根の隙間にホコリやゴミが溜まれば、隙間が狭くなってしまい毛細管現象が発生しやすくなります。隙間が完全に無くなってしまう通気性が悪くなってしまい、湿気などが逃げる道を塞いでしまうことになります。

屋根の上を歩くと分かりますが、屋根材の下の野地板が腐ってぶよぶよになっていると足でその場所を踏むと屋根が凹みます。毛細管現象で吸い上げられた水は、釘に届くところまで吸い上げられます。屋根材から入った雨で腐食していると屋根の中に水も結構入っています。毛細管現象によって屋根材と屋根材の重なりから吸い上げられた水は、時間をかけて排水するのを待つしかありません。ただ、待っている間も確実に水によって腐食されていくので、毛細管現象は屋根にとってはとても恐ろしい現象だと言えます。

 

■毛細管現象を防ぐためには

毛細管現象を防ぐには、塗装の施工の際に注意しておくことで防ぐことができます。スレート屋根にローラーで塗料を塗ると重なり合った屋根材の隙間が埋まってしまうので、カッターや皮スキ隙間を開ける縁切りという作業をする必要があります。塗料で隙間が塞がれると、屋根の裏側に入りこんだ雨水の逃げ道を塞いでしまい、水が屋根の中に溜まっていって雨漏りの原因となってしまいます。そのために縁切りを行いますが、縁切りが不十分であればスレート間の隙間が中途半端になってしまい、毛細管現象を引き起こしやすくなります。

毛細管現象は隙間が狭ければ、それだけ発生しやすくなります。縁切りの際に十分な間隔を確保してあげることが大切になります。確実に縁切りを行うならばタスペーサーを使用することで隙間を確保することができます。下塗り後にタスペーサーを屋根材と屋根材の間に差し込むことで、適度な隙間を作ることができます。通気性と水はけを確保して毛細管現象を抑えることができます。

 

■毛細管現象などが起きた場合どうするか

雨漏りの原因が塗装時の問題や経年劣化によるものであれば、自分で費用を出して直してもらうしかありませんが、強風や積雪による自然災害が原因で雨漏りなどを起こした場合は火災保険を適用することができます。台風などの強風の影響で瓦がズレてしまい、そこから雨水が侵入して雨漏りとなってしまったならば、風災補償を受けることができます。積雪の重みで屋根にヒビが入ってしまって雨水が侵入して雨漏りが起きてしまったならば、雪災補償を受けることもできます。

 

■その費用は

毛細管現象によって屋根に雨漏りなどが起きてしまった場合は、雨漏りの応急処置であれば、5万円から20万円、屋根の補修であれば5万円から30万円、屋根材の交換は80万円から180万円などになっています。毛細管現象による屋根材の程度によりますが、程度がかなり悪ければ費用はかなりかかってしまうことになります。

全体的な割合としては、20万円から50万円が全体の約40%を占めており、50から100万円が全体の約30%となっています。毛細管現象によって水が溜まってしまった場合は、費用もかかるので、注意が必要です。

 

■解決策としては事前に修繕する

雨漏りが始まってから修理を決断することが多いですが、すでに雨漏りが始まっている場合は建物内部の傷みが進んでいることになります。そのため、理想的なのは雨漏りが始まる前に問題の損害を修繕することが大事になります。定期的に点検を行うことで損害に気付くことができます。修繕費用も安く抑えることができるので、毛細管現象が起きていても被害が少なく直ぐに修理することができます。

 

■まとめ

毛細管現象とは水が吸い上げられて水が屋根の中に溜まってしまって雨漏りを引き起こし屋根を劣化させてしまいますこの毛細管現象は外観からは分かりにくい部分もあるので、自分で目視して確認は難しいです。定期的にメンテナンスをしてもらうことで毛細管現象が起きているのか、劣化してきているのか確認できます。参考にしてください。